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繙 蟠 録 2009年10月前半

2009/10/11 オバマのノーベル平和賞受賞に対するタリバンの非難を支持する!

カブールからの10/9付ロイター電「タリバン,米大統領のノーベル賞受賞を厳しく非難」によると,「アフガニスタンの武装勢力タリバンは9日,オバマ米大統領のノーベル平和賞受賞について,「(アフガンでの)暴力を激化させ,多くの民間人を殺害したことに賞を与えるべきだ」などと厳しく非難した。タリバンのスポークスマンはロイターの電話取材に対し,アフガンに2万人以上の増派を行い,戦火を拡大させたオバマ大統領が平和賞を受賞するのはばかげていると指摘。「アフガン人は彼(オバマ氏)がブッシュと同じ道を歩まないと思ったが,実際にはさらに一歩踏み込んだ」と述べた」。

 アフガニスタンの民衆を殺し続けながら,「核廃絶」をおしゃべりするオバマ! 自国は核を保持しながら他国への核拡散に反対するオバマ! ノーベル平和賞だと持ち上げるのはまことに滑稽なことである。おしゃべりではなく,実際の行動で判断すべきである。オバマの大統領就任時,私は「オバマとは何ものか?」で幻想を捨てようと訴えた。

 憲法九条を「人類の財産」などと言って天より高く持ち上げ,しかも世界に広めようという主張もオバマのノーベル賞と同様,莫迦げたことであり,「へそが茶を沸かす」とはこのことである。憲法九条とは何か。戦後日本の実際の歴史的事実で判断すべきである。現状のまま,つまり日本が日米軍事同盟を保持し,沖縄をはじめとする国際侵略基地としての米軍基地を支え,自衛隊を廃止しないままで,憲法九条を世界に広めるというのは,違憲状態を「合憲」と強弁する詐欺行為を世界に輸出することに他ならない。

 事実を黙過したまま,あるいは隠蔽したまま,「正論」のおしゃべりを続けるのはドレイ精神である。
 「最初から正視することを尻込みしていては,やがて正視する力がなくなり,さらにそのうちに,自然と視る意志がなくなり,見えなくなってしまう。……しかしながら,自身の矛盾や社会の欠陥から生ずるところの苦痛は,たとい正視しなくても,身にふりかかって来るものなのだ」――魯迅。(M)

2009/10/06 「〈佐藤優現象〉に対抗する共同声明」を支持する!

私は「〈佐藤優現象〉に対抗する共同声明」を在野の批判精神復興の立場から強く支持する。(M)

【以下転載 転載元URL http://gskim.blog102.fc2.com/blog-entry-23.html

※管理人注: 有志の方々から,以下の共同声明文をいただきました。これからさらに署名者を募っていくとのことで,当面このサイトで集約していくことになりました。署名してくださる方は,以下のメールアドレスに,お名前(ペンネーム・ハンドルネームなどでも可),肩書き(なくても可),簡単なメッセージ(もしあれば)をお送りください。随時,署名者として加えさせていただきます。なお,お名前に,ブログ・ホームページ等へのリンクを貼られたい方は, URLをご記入下さい。
kyodoseimei@nifmail.jp

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「〈佐藤優現象〉に対抗する共同声明」

 私たちは,昨今,『世界』『週刊金曜日』その他の「人権」や「平和」を標榜するメディア(以下「当該メディア」)が,右翼ないし国家主義の論調に対して歩み寄りを見せていることに深い憂慮と疑念を抱いています。それを象徴する現象が,「右翼」「国家主義者」を自称する佐藤優氏の積極起用です。

 私たちは,佐藤氏の積極起用が,縮小する一方の「論壇」の市場を回復しようとしてなのか,「脱冷戦」の意味を単に「左右の歩み寄り」と読み誤っているのか,その理由をはっきりとは知り得ません。しかし佐藤氏は,言論への暴力による威圧を容認し,イスラエルの侵略・抑圧行為や在日朝鮮人の民族団体への政治的弾圧を擁護する等の,決して許容できない発言を,数多くの雑誌・著作物で行っています。当該メディアが佐藤氏を積極的に誌面等で起用することは,人権や平和に対する脅威と言わざるを得ない佐藤氏の発言に対する読者の違和感,抵抗感を弱める効果をもつことは明らかです。私たちは,佐藤氏の起用が一体どのような思考からもたらされ,いかなる政治的効果を持ち得るかについて,当該メディアの関係者が見直し,起用を直ちにやめることを強く求めます。

 そうした問題を鋭く提起したのが,金光翔氏(岩波書店社員)の「〈佐藤優現象〉批判」(『インパクション』第160号,2007年11月)でした。ところがこの論文掲載をきっかけに,『週刊新潮』が金光翔氏を槍玉にあげる記事を公刊しました(2007年12月6日号掲載の記事「「佐藤優」批判論文の筆者は「岩波書店」社員だった」)。佐藤氏は,その記事のなかで,同論文を「私が言ってもいないことを,さも私の主張のように書くなど滅茶苦茶な内容」だなどと中傷しています。これは,市民の正当な言論活動を萎縮させかねない個人攻撃です。私たちは,これも〈佐藤優現象〉の一つだと考えます。それに対し,金光翔氏は『週刊新潮』と佐藤氏が名誉を毀損したとして提訴しました。私たちは『週刊新潮』の報道に強く抗議するとともに,現在の言論の状況に対して一石を投じたこの訴訟への注目と,金氏への支持を広く呼びかけるものです。
2009年10月1日


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